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日本の森林帯について

 

日本の森林帯

日本の国土は南北に細長く、高い山々もあり、それらの地理的(気候的)な要因で、森林の様相は地域によって大きく異なります。中部地方は、標高が高いので、標高の低いところから高い方へと気温が低下するために、森林の様相が垂直的に変化していきます。それを森林帯と言いますが、その名称はいろいろあって、統一した名前はありません。

生態学者の吉良竜夫さんが提唱した、植生の変化と気温との相関関係を表すための指標として、暖かさの指数および寒さの指数があります。あわせて温量指数とも呼ばれます。一般的に、植物の生育には月平均気温で摂氏5度以上が必要とされます。このことから、温帯における植生の分布には、それより高温になる期間とその温度の高さがどの程度になるかが大きく影響すると考えられるので、それを定量化することを試みたものです。大変優れた研究で、生態学の基本的知識とされています。

具体的には、ある地域の各月の平均気温を取り、月平均気温5度を基準として、各月の平均気温の5度との差を累積します。平均気温が5度より高い月の累積が暖かさの指数であり、5度より低い月の累積が寒さの指数です(5度以上と5度以下を相殺するのではなく、別々に累積する)。

吉良氏は、亜熱帯から高山まで、それぞれの樹種がどの高度に分布するかを調査し、植生が急激に変わる境界を境に植生帯を設定し、それと音量指数との関係を調べたのです。吉良氏に分類による植生帯別に音量指数を示すと下のようになります。

熱帯多雨林  暖かさの指数240以上

亜熱帯多雨林  暖かさの指数180240

照葉樹林  暖かさの指数18085かつ寒さの指数10(または15)以下

中間温帯林  暖かさの指数18085かつ寒さの指数10(または15)以上

落葉広葉樹林  暖かさの指数8545

針広混交林(北海道)  暖かさの指数6045

亜高山帯針葉樹林  暖かさの指数4515

高山帯  暖かさの指数15以下

なお、本来は降水量の大小も植生と大きな関係があるはずですが、日本ではどこでも充分な降水量があるため、条件の差としては意味をもたないと考えられます。

吉良氏の森林帯区分は、例えば落葉広葉樹林帯と中間温帯林を区別していますが、その区別は必要ないとする研究者もいて冷温帯とまとめてます。亜高山帯針葉樹林帯と針広混交林も、亜寒帯林と統一していることが多いようです。

中部山岳地帯を例にとると、標高500mよりも低い山地では、暖温帯あるいは丘陵帯などと呼ばれ、そこでの極相林はシイやカシ類などの常緑樹を主体とする森林(照葉樹林)です。岡崎や豊田市、豊橋や新城市の平野に隣接する丘陵地や山地は、この森林帯に属します。後に詳しく述べるように、この地域の里山林では、人手が入って樹木を伐採し続けてきましたので、落葉樹が多いです。

標高5001500mの地帯は、冷温帯あるいは山地帯と呼ばれ、ブナ林を中心とする落葉広葉樹林となります。深い谷を除く作手の高原状の地域は、標高500~700mでこの森林帯に属します。ブナ林はありませんが(文殊山にブナの巨木があるだけです)、コナラ・ヤマザクラを中心とする落葉樹が大半を占めます(後述)。1500m以上の山地になりますと、トウヒ・シラビソ・コメツガなどの針葉樹が卓越します。信州を旅した時、シラビソ高原に行きましたが、その山地に見られたシラビソやトウヒの針葉樹は美しかったです。落葉樹では、カラマツ・カエデ類が繁茂します。これを亜高山帯と言います。

以上は、森林の垂直方向の変化を見たものですが、南北の細長い日本列島の森林の水平変化にも同様の変化が見られます。北の方は寒いですので、それに見合った森林が繁茂します。北海道の北の方では、亜寒帯針葉樹林が繁茂します。大分前に北海道の礼文島に旅した時に、高山にしか見られない高山植物が標高の低い平地に存在しているのを見て驚いたことがあります。森林限界は、中部地方では標高2500mくらいですが、北に行くにつれた低下し、東北地方では1500mくらいになり、北海道の最北端では0mになっています。同様に他の森林帯も、その標高が北に行くにつれて低くなっていきます。

ボクが住んでいる旧作手村は、深い谷を除くとおよそ標高500700mですから、森林帯で言うと、冷温帯あるいは山地帯に相当し、落葉広葉樹林帯になります。標高の低い岡崎のような暖温帯林と比べると、岡崎でどこにでも見られる常緑樹の高木であるアラカシやツブラジイは、作手ではほとんど見られません。落葉樹でも、作手でたくさん見られるシロモジは、岡崎では見られません。岡崎で見られる落葉高木のアベマキは、作手では見たことがありません。森林帯の違いによって生息する植物の種類が異なるのですね。この辺をこの地域で詳しく調べてみると、面白いかもしれません

 

植物の種類があまり変わらない安定した状態のことを極相と言うことは、先に触れました。この極相としてあらわれてくる森林のグループを地図に描いてみますと、おおよそ一年間の平均気温(これを年平均気温と言います)の等しい線を結んだ線と一致します。それで、年平均気温の線を利用して日本の森林帯を4つに区分することができます。このように極相の違いで森林を区別したものを森林帯と言います。

 

森林帯区分

亜寒帯   6℃以下  北海道東北部

エゾマツ・トドマツの針葉樹林 カンバ類・ミズナラ・イヤタカエデ・カツラなどの落葉広葉樹とエゾマツ・トドマツが混じった森林

冷温帯林または温帯林 6℃から13℃  北海道西南部から東北の宮城県あたりまで

ただし、標高の高い所を入れると長野あたりまで

ブナ・ミズナラ・イタヤカエデ・トチノキ・カツラなどの他種類の落葉広葉樹が生えています

暖温帯林(温帯林)      13℃から21℃ 福島県から九州まで          シイ類やカシ類 

常緑広葉樹が極相となっている。

亜熱帯林                21℃以上           小笠原諸島や沖縄などの南西諸島

ガジマル・アコウ・ビロウ・木生(もくせい)シダ類が生えている 

 

 これを分布図として表したのが下の図です。亜熱帯林は、鹿児島県以南に分布します。図には示されていませんが、沖縄本島をはじめとする琉球列島も亜熱帯林が繁茂します。暖温帯林は、関東地方から西の西南日本に広く広く分布します。冷温帯林は、東北地方や北海道の西部に分布します。北海道北東部や山地の高いところには、亜寒帯林が分布します。

 それぞれの森林帯によって極相となる森林の様相も違ってきます。上に述べた森林帯の樹種が、その森林帯の極相林を構成します。

日本の森林帯
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coppice(雑木林)

森楽、flutevioline

Author:森楽、flutevioline
退職後、都会生活ばかりだったボクにとって田舎の自然豊かな里山の生活は、新しい発見の連続で楽しい! 自然の写真が満載です! また、こんな老い生き方があることを示したみたい!

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